コラム

スキルス胃がん

大阪市北区のたむらクリニックのブログをご覧いただき、ありがとうございます。
「地域の皆様の健康維持に役立ちたい」という思いを胸に、日々診療を行っておりますが、こちらのブログでは病気のこと、検査のこと、そして日々の健康に役立つことなどを発信して参ります。
今回は“スキルス胃がん”についてです。

 

スキルス胃がんについて

スキルス胃がんは、胃の粘膜の表面から発生する通常の胃がんとは異なり、胃壁の内側の粘膜層から始まり、進行すると胃壁の外側に進展していきます。
このため内視鏡検査でも早期発見が難しく、増殖も速いことから、発見されたときには、すでに進行がんとして診断されることが多いという特徴があります。
また、発生頻度は胃がん全体のうちの1.4~4.7%という報告があり、他の胃がんと比較して比較的若年齢で発症する傾向にあります。

スキルス胃がんの症状は?

無症状の場合もありますが、一般的な症状としては食欲不振や体重減少、胸焼け、腹部の不快感、消化不良、下痢などがあります。
さらに病気が進んだ場合は、嘔吐や吐血、下血、タール便、腹水などの症状が生じてきます。

スキルス胃がんの原因は?

一般の胃がんは、ヘリコバクターピロリ菌への感染や慢性胃炎、ストレス、喫煙、飲酒、塩分過多、遺伝的な要因などが発症の原因となりますが、スキルス胃がんに関しては発生の原因がはっきりとしていません。
ただし、スキルス胃がんは突然発症するわけではなく、胃粘膜に小さく凹むような形の早期がんが2〜3年かけてスキルス胃がんに変化すると考えられているため、定期的に胃内視鏡検査を受けることで、比較的早期に病気を発見できる可能性があります。

スキルス胃がんの治療

スキルス胃がんは診断時にすでに進行していることが多く、根治的治療の手術ができないケースでは、主治医と相談のうえ化学療法(抗がん剤治療)による治療が選択されることが多くなります。
このほか、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤による治療や遺伝子治療などがあります。

スキルス胃がんには有効な予防法は確立されていませんが、一般の胃がん同様、ピロリ菌の除去や生活習慣の見直しを行い、定期的な検査を受けることが大切です。
気になる症状がある場合は、お気軽に大阪市北区のたむらクリニックへご相談ください。

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