胃底腺ポリープ
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今回は“胃底腺ポリープ”についてです。
胃底腺ポリープとは?
胃底腺ポリープは胃の内壁に生じる粘膜の突起で、ピロリ菌がおらず、胃酸分泌が多い方によくみられる良性のポリープです。
これらのポリープは胃の内膜にある底腺(胃の粘膜に粘液を分泌する部分)に数個以上発生し、通常は良性で、がん化することはまれです。
また、胃底腺の粘膜は萎縮せず、周りの正常な胃の粘膜と同じ色調をしています。
胃底腺ポリープの症状は?
通常、胃底腺ポリープは症状を引き起こしません。
そのため、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)やX線造影検査(胃バリウム検査)で偶然発見されることが多くあります。
しかし、サイズが大きくなると、腹痛、吐き気、または食欲不振などの症状が現れることがあります。特に大きなポリープは胃出血を引き起こす可能性があり、その場合は黒い便が見られることもあります。また、非常に大きなポリープは胃の通過を妨げることがあり、食事後の満腹感や体重減少を招くこともあります。
胃底腺ポリープの原因は?
胃底腺ポリープの具体的な原因は明らかになっていません。
また、家族性大腸腺腫症(familial adenomatous polyposis:FAP)の患者様は、胃底腺ポリープが多数できることがあり、がんの発生母地になる可能性があることから予防的に切除する場合があります。
胃底腺ポリープの治療は?
胃底腺ポリープは細胞が肥大化したもので、良性のポリープであるため、胃内視鏡検査やX線造影検査(バリウム検査)で見つかった場合でも、特に切除などの処置は必要ありません。
比較的女性に多く、また胃酸分泌が多い若年者に発生する傾向にありますが、加齢とともに減少することもあり、基本的に経過観察として問題ないでしょう。
ポリープと聞くと気になる方も多いと思われますが、心配し過ぎる必要はありません。
何か不安に思うことや、気になる症状がある場合は、お気軽に大阪市北区のたむらクリニックへご相談ください。