胃静脈瘤
大阪市北区のたむらクリニックのブログをご覧いただき、ありがとうございます。
「地域の皆様の健康維持に役立ちたい」という思いを胸に、日々診療を行っておりますが、こちらのブログでは病気のこと、検査のこと、そして日々の健康に役立つことなどを発信して参ります。
今回は“胃静脈瘤”についてです。
胃静脈瘤とは?
胃静脈瘤は、胃の内壁を走る静脈が拡張し、袋状に膨らんだ状態を指します。これは、ポータル高血圧症と呼ばれる状態、つまり肝硬変などによる肝臓の圧力上昇が原因で発生することが一般的です。静脈瘤は、胃以外にも食道に形成されることがあり、消化器官の中でも特に出血のリスクが高いとされています。
胃静脈瘤の症状は?
胃静脈瘤自体は無症状であることが多いですが、瘤が破裂すると内出血を引き起こし、突然の胃痛、吐血、またはタール便として排出されることがあります。これらの症状は、非常に重篤な状態を示しており、緊急の治療が必要になることがあります。
胃静脈瘤の原因は?
胃静脈瘤の最も一般的な原因は肝硬変による高血圧です。肝硬変は肝臓の組織が瘢痕化する病気で、これにより肝臓を流れる血液の圧力が上昇し、胃につながる静脈に過剰な圧力がかかり、拡張して静脈瘤を形成します。その他の原因には、血液凝固異常や、稀ながら遺伝的な要因も挙げられます。
胃静脈瘤の検査・治療は?
胃静脈瘤の診断には、主に内視鏡検査が用いられます。内視鏡を使って直接胃の内部を観察し、静脈瘤の有無、サイズ、形状を確認します。治療方法としては、瘤の状態や破裂リスクに応じて、内視鏡的な手法によるバンディング(瘤を縛り付ける)や組織接着剤による凝固、時には薬物療法が適応されることもあります。予防として、高血圧を下げる薬物治療が行われることもあります。
無症状のことも多い胃静脈瘤ですが、何か心配なことがございましたら、いつでもお気軽に大阪市北区のたむらクリニックへご相談ください。