コラム

食道静脈瘤

大阪市北区のたむらクリニックのブログをご覧いただき、ありがとうございます。

「地域の皆様の健康維持に役立ちたい」という思いを胸に、日々診療を行っておりますが、こちらのブログでは病気のこと、検査のこと、そして日々の健康に役立つことなどを発信して参ります。

今回は“食道静脈瘤”についてです。

食道・胃静脈瘤とは?

食道・胃静脈瘤は、食道や胃の血管が異常に拡張し、瘤状の構造が形成される状態を指します。

食道・胃静脈瘤の主な原因は肝硬変であり、肝不全や肝がんとともに、静脈瘤出血が肝硬変の三大死亡原因であると言われています。

食道・胃静脈瘤の症状は?

食道・胃静脈瘤の多くは無症状ですが、胸がつかえる感じや、食物や胃液が刺激となって破裂すると、新鮮血や暗赤色の吐血の症状があらわれることがあります。

食道・胃静脈瘤の原因は?

食道・胃静脈瘤の主な原因は肝硬変です。

肝硬変になって肝臓が萎縮し硬化すると、血流が阻害され、肝臓に血液を運ぶ門脈の圧力が上がります(門脈圧亢進)。

門脈圧が異常に上昇し、門脈を通して血液を心臓に送ることが困難になると、門脈と上大静脈系の間に血流を補うための側副血行路が形成され、胃上部や食道粘膜下層から拡張、怒張するとコブのような食道・胃静脈瘤ができます。

門脈圧亢進は、肝硬変以外に、特発性門脈圧亢進症、慢性膵炎、バッド・キアリ症候群、肝がん、膵がんなどによって起こる場合があります。

食道・胃静脈瘤の検査と治療方法は?

食道・胃静脈瘤の診断には、X線造影検査(バリウム検査)や、上部消化管内視鏡検査が一般的に使用されます。

また、治療には、内視鏡的治療や手術療法、放射線治療、薬物療法があり、緊急時の止血では内視鏡的食道静脈瘤結紮(けっさつ)術が行われることが多くなります。

食道・胃静脈瘤は、コブができただけでは特に自覚症状がありません。

肝臓の病気について気になる方、健康診断などで指摘された方は、一度、大阪市北区のたむらクリニックへご相談ください。

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