コラム

機能性ディスペプシアってなに

大阪市北区のたむらクリニックのブログをご覧いただき、ありがとうございます。

「地域の皆様の健康維持に役立ちたい」という思いを胸に、日々診療を行っておりますが、こちらのブログでは病気のこと、検査のこと、そして日々の健康に役立つことなどを発信して参ります。

今回は“機能性ディスペプシア”についてです。

機能性ディスペプシアとはどんな病気?

「機能性ディスペプシア」という病名をご存知の方は、あまりいらっしゃらないかもしれません。しかし、日本人の10人に1人がかかっているという調査結果もあるほど、実はありふれた疾患なのです。

では、機能性ディスペプシアとは、どのような病気なのでしょう?

症状としては、胃もたれやみぞおちのあたりの痛み、早期の満腹感などがあります。この症状が示すように、「ディスペプシア」はギリシャ語で、「消化不良」を意味しています。ところが、症状があるにもかかわらず、胃カメラ検査や血液検査、エコー検査、ピロリ菌の検査などで異常が発見されないケースがあります。症状があるのに胃の粘膜などに異常がない、すなわち胃の機能に問題がある場合、機能性ディスペプシアであると診断されます。

現代のように胃カメラ検査が広く行われる前までは、神経性胃炎や慢性胃炎と診断されることもありました。

機能性ディスペプシアが起こる原因は?

それでは、機能性ディスペプシアが起こる原因をみていきましょう。

<胃・十二指腸の運動が阻害される場合>

食べ物を胃から十二指腸へ送るタイミングが早過ぎる、もしくは遅過ぎると症状が出ます。

また、食事のときに胃が拡張する機能がうまく働かないと、すぐお腹がいっぱいになってしまう早期膨満感の症状があらわれます。

<胃・十二指腸の知覚過敏がある場合>

健康な方であれば問題がないような軽い刺激でも、機能性ディスペプシアの方では症状が出てしまいます。

また、十二指腸での胃酸、脂肪に対して知覚過敏となり、症状が出ることもあります。

<心理的な要因がある場合>

脳と腸管は互いに関連している(脳腸相関)ため、不安や抑うつ症状、ストレス、子供の頃に体験した虐待の記憶などから症状が出ることがあります。

<その他、生活習慣やピロリ菌の感染など>

感染性胃腸炎やヘリコバクター・ピロリ菌への感染、アルコール、喫煙、不眠、遺伝的な要因などから症状が出ることがあります。

生活習慣の改善

上の項目で原因を記載しましたが、機能性ディスペプシアは必ずしも1つの原因から起こるのではなく、いくつかの要因が重なって起こることがあります。

治療には胃の働きを助けるお薬や、胃酸を抑えるお薬などを使いますが、食習慣や生活習慣の改善も大切なポイントとなります。

バランスの取れた食事と適度な運動、十分な睡眠をとることで自律神経を整え、ストレス解消の方法をうまく取り入れながら、病気を予防・治療するようにしましょう。

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