直腸潰瘍
大阪市北区のたむらクリニックのブログをご覧いただき、ありがとうございます。
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今回は“直腸潰瘍”についてです。
孤立性直腸潰瘍症候群とは?
孤立性直腸潰瘍症候群とは、排便時に過度にいきむことで直腸粘膜の脱出や血流不足が起こり、直腸粘膜が赤くなったり、潰瘍が生じたりする病気です。
潰瘍ができないものもあるため、現在では「直腸粘膜脱症候群 (mucosal prolapse syndrome=MPS)」とも呼ばれています。
孤立性直腸潰瘍症候群の症状は?
孤立性直腸潰瘍症候群の症状として、排便時の出血、肛門部痛、排便困難、粘液便などが挙げられます。
潰瘍型と隆起型の2つに分類され、それぞれ次のような特徴がみられます。
・潰瘍型:潰瘍の周辺は白く少し盛り上がっており、潰瘍はさまざまな形になります。
また、色が変わるだけではっきりと傷ができていない平坦型は、潰瘍型の早い時期のものと考えられます。
・隆起型:粘膜が赤くなってポリープ状になることがあり、隆起にはさまざまな型のものがみられます。
また、隆起と潰瘍が混在して生じます。
孤立性直腸潰瘍症候群の原因は?
便秘がもとで排便時に過度にいきんでしまい、直腸に慢性の炎症が起こることが原因であると考えられます。
長時間いきむことで直腸粘膜の下降脱出をくり返すと、隆起型の直腸粘膜脱症候群となり、血流が悪くなると潰瘍型の直腸粘膜脱症候群となります。
隆起型と潰瘍型のいずれも直腸の前壁側に発生することが多く、年代では若年層に多い傾向にあります。
また、がんのように見えますが、がんではなく手術の必要もありません。
治療では、排便習慣を改善する、お薬を服用するなど、便秘の治療を行います。
排便時に痛みや出血がある、便秘がなかなか改善せず悩んでいるという方は、お気軽に大阪市北区のたむらクリニックへご相談ください。