胃潰瘍について
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今回は“胃潰瘍”についてです。
胃潰瘍とはどんな病気?
胃潰瘍とは、胃液中に含まれる塩酸やペプシンの消化作用により、胃の粘膜や内壁がただれる病気のことを言います。
胃潰瘍は、以前には男性に多くみられましたが、最近では若い方や更年期の女性の患者数が増加しつつあり、主な原因として肉体的、精神的なストレスなどが考えられます。
胃潰瘍の症状は?
胃潰瘍の症状には次のようなものがあります。
・食後にみぞおち辺りに痛みが出ます。
また、食事の量が多過ぎると痛みが長く続きます。
・胃液が多く出過ぎるため、胸やけや酸っぱいゲップ、口臭などの症状が出ます。
さらに、吐き気や嘔吐、食欲不振から体重の減少がみられることがあります。
・潰瘍ができた部分の血管が破れると、胃酸によってどす黒い色の血を吐血します。
吐血時には血圧の低下や脈拍の乱れ、冷や汗、激しい痛みといった症状が出る場合があります。
・潰瘍ができた部分の血管が破れることで、どす黒い色の便(タール便)が出ます。
・胃潰瘍の炎症がすい臓に及ぶと、背中に痛みが出る場合があります。
胃潰瘍の原因と治療は?
胃潰瘍を起こす原因として、過労や睡眠不足、緊張、イライラなどの肉体的、精神的ストレスが挙げられます。
また、胃潰瘍の7割でピロリ菌への感染がみられることから、ピロリ菌の除菌治療が必要になるケースがあります。
そのほか、喫煙や飲酒、コーヒー、熱過ぎる、または冷た過ぎる飲食物や刺激の強い香辛料の摂取、薬を長期服用することなども胃の負担となるため、胃潰瘍を引き起こすことがあります。
胃潰瘍の治療は投薬による治療が主となりますが、胃に負担をかけない生活をすることも大切なポイントです。
暴飲暴食や喫煙、過度なアルコール摂取は控えて、規則正しい生活を送り、体を休ませるようにしましょう。
胃潰瘍は通常2〜3ヶ月程度の治療でよくなりますので、胃の調子がよくないなと感じたら、早めに医療機関を受診することをおすすめします。