食道乳頭腫
大阪市北区のたむらクリニックのブログをご覧いただき、ありがとうございます。
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今回は“食道乳頭腫”についてです。
食道乳頭腫とは?
食道乳頭腫(しょくどうにゅうとうしゅ)とは、食道内に発生する良性腫瘍の一種です。
食道内腔は、通常、扁平上皮(へんぺいじょうひ)と呼ばれる粘膜でおおわれており、乳頭腫とは、この扁平上皮が増殖し、隆起してできたポリープのことを指します。
発生部位としては下部食道に多くみられますが、中部や上部食道に見つかることもあり、咽頭または食道と似た色か、もしくは白色調であることが多く、ほとんどが1cm以下の大きさです。
無症状であることがほとんどであり、また、乳頭腫からの悪性転化(悪性腫瘍への変化)のリスクは低いと考えられるため、基本的には経過観察となります。
食道乳頭腫の症状は?
食道乳頭腫はほとんどが無症状のため、多くは内視鏡検査を受けたときに偶然発見されます。
ただし、増大する傾向がある場合は内視鏡的切除を行い、取り除くことも考慮します。
食道乳頭腫の原因は?
食道乳頭腫が起こる明確な原因は不明ですが、逆流性食道炎の合併が多いため、胃酸が逆流することによる慢性刺激が関係すると考えられています。
また、そのほかにはヒトパピローマウイルスが関与するとの報告もあります。
食道乳頭腫の検査について
食道乳頭腫の診断には、一般的に内視鏡検査が使用されます。
内視鏡で食道の内部を観察し、組織検査によって病理学的評価が行われます。
乳頭腫からがん化することは非常にまれであるとされているため、過度に心配する必要はありません。
健康診断などで食道乳頭腫と指摘されたら、1年に1度検査を受け、経過観察を続けるようにしましょう。気になる症状がございましたら、大阪市北区のたむらクリニックへお気軽にご相談ください。